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外国籍ひとり親「児童扶養手当」38%自治体が“不支給”回答 「裁量逸脱」の可能性を弁護士が指摘

公開日
2025-06-04
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弁護士JPニュース
記事要約
関東弁護士会連合会(関弁連)は6月3日、外国籍のひとり親家庭が児童扶養手当を申請する際、自治体ごとに対応に差があり、不公平が生じているとする意見書を発表し、こども家庭庁などに提出した。

この意見書は、東京高裁管内の自治体を対象としたアンケート調査(374自治体が回答)に基づくもので、その結果、約38%の自治体が「本国発行の書類(例:独身証明書)」がなければ申請を受理しない、または支給しないとしていることが判明した。

しかし、厚生労働省の通知では、外国籍住民への手続きについて「原則として日本人と同様に扱う」とされ、戸籍の代替として「本人の申立書や民生委員の証明書」なども認められるとされている。

実際の事例では、フィリピン国籍の女性が離婚後に申請を試みたものの、自治体に拒否されたことがあり、弁護士の介入によりようやく申請が受理された。同じ法制度のもとで自治体により対応が異なるのは問題であると指摘されている。

さらに、児童扶養手当は、ひとり親家庭にとって重要な収入源であり、子どもの福祉向上を目的とする法的制度であるため、自治体の対応によって不利益が生じるのは不当であり、損害賠償責任が生じる可能性もあるとされた。

最後に、関弁連は「在留資格の不安などにより声を上げられず、泣き寝入りしている外国籍のひとり親も多い」として、行政に対応の見直しを強く求めている。
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