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在留外国人の家庭・民事トラブル解決、同胞の知恵は必要か 調停制度に存在する国籍の壁

公開日
2026-02-26
メディア
産経新聞
記事要約
家庭内や日常生活に関するトラブルを裁判ではなく話し合いで解決する調停制度は、全国で年間約15万件利用されており、裁判官1人と調停委員2人で構成される調停委員会が合意形成を目指す。合意内容を記した調停調書は確定判決と同等の法的効力を持つ。調停委員は全国で約2万人おり、原則40歳以上70歳未満の「人格識見」の高い人物が任命される非常勤の国家公務員である。

一方で、調停委員に明確な国籍要件は規則上ないものの、実際には日本国籍が事実上の任命要件となっており、外国籍弁護士が推薦されても任命されない状況が続いている。背景には、1952年のサンフランシスコ平和条約発効後に示された「公権力の行使」や「国家意思の形成への参画」に携わる公務員には日本国籍が必要とする法理がある。最高裁は調停委員の職務がこれに該当するとしているが、大阪では外国籍弁護士が長年務めた例外もある。

外国人住民の増加を受け、文化や言語に精通した外国籍委員の必要性を訴える声もある。外国人当事者の代理人を務める弁護士は、文化的背景への理解が調停の円滑化に寄与すると指摘し、調停委員を公権力の行使とみなすのは無理があると主張する。一方で、調停委員は実質的に裁判官に近い役割を担っており、公権力の行使に当たると考えられてもやむを得ないとの意見もある。今後、在留外国人の増加に伴いニーズが高まれば、外国籍調停委員の任用をめぐる議論が本格化する可能性がある。
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