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カナダの留学許可は移民制度改革で60%減少

公開日
2025-10-24
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THE PIE
記事要約
カナダでは2025年前半(1~8月)の留学生到着数が前年同期比で約60%減少し、年間発給目標の437,000件を大幅に下回る見通しであることが移民・難民・市民権省(IRCC)の新データで明らかになった。留学生数全体も前年より21%減の約80万人となり、パンデミック以来の最低水準に落ち込んでいる。

政府はこの減少を「一時滞在者(TR)数を抑制する成功」と位置づけており、留学生と就労ビザ保持者の合計も1年間で22%減少した。カーニー政権は一時滞在者比率を2027年末までに人口の5%以下に抑える目標を掲げており、今後も数年間は留学・就労許可の発給抑制が続くとみられている。

一方、教育関係者からは透明性を求める声が高まっている。政府が年初に設定した「10%削減の上限」を前提に予算を組んでいた大学や専門学校に深刻な影響が及んでおり、方針の不透明さが批判されている。

専門家のマシュー・マクドナルド氏は、今回のデータ公開は「移民が抑制されているという政府メッセージを国民が受け入れるかを試すものだ」と指摘した。

一方、カナダ国際教育局(CBIE)は、留学生が2022年に約400億カナダドルを経済にもたらしたとし、労働力補填や地域経済への貢献、そして卒業後に「カナダの親善大使」となる文化的価値を強調。政府に対し、国際教育戦略を再構築してカナダの国際的ブランドを回復させるよう求めている。
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