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EUの「帰還拠点」とは一体何なのか、そして移民や亡命希望者の権利はどのように変化するのか?

公開日
2026-04-01
メディア
The Conversation
記事要約
EUは、不法滞在者の送還を容易にする新制度「リターン規則(Returns Regulation)」の導入を進めており、拘束期間の延長や子ども・家族を含む拘束の拡大など、大きな政策転換が見られる。

最大の特徴は、EU域外の第三国に「リターンハブ(送還施設)」を設置する仕組みであり、これにより移民をEU外で収容・送還することが可能となる。欧州委員会はこれを革新的な施策と位置づけているが、人権侵害の監視や欧州基準の適用が困難となり、「人権の空白地帯」が生まれるとの懸念が指摘されている。

制度は「安全な第三国」概念の拡張と連動しており、EU加盟国は申請者を第三国に送ることで、難民申請を実質審査せず却下できる場合がある。また、申請者は異議申し立て中でもEU域内に滞在できない可能性があり、実効的な権利救済が困難になる恐れがある。

さらに、第三国では難民条約が保障する教育・雇用・社会保障などの権利が十分に確保されない可能性があり、難民の権利保護に重大な問題が生じると指摘されている。

この制度により、移民や家族、特に子どもが縁のない国へ送還され、監視の難しい環境で拘束されるリスクが高まる。EUがこれまで担ってきた人権保護の役割からの後退であるとの批判も強い。
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2025-11-14
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