世界の移民・難民
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(The New Humanitarian)富裕国は難民を出身国の近くに留めておきたいと望んでいるが、実際にはそれを不可能にしている。

公開日
2026-09-21
メディア
The New Humanitarian
記事要約
欧米などの富裕国では、「難民は出身国に近い国にとどまるべきだ」という政策が強まっている。しかし同時に、人道支援の削減、第三国定住枠や合法的経路の縮小、庇護制度の厳格化が進み、難民が近隣国で生活を続けるための条件そのものが失われている。2025年末時点で世界には4,160万人の難民がおり、国際的保護を必要とする人々の約7割を低・中所得国が、65%を出身国の近隣国が受け入れている。

従来の難民保護は、紛争地に近い国が受入れの大部分を担い、富裕国が資金援助と少数の第三国定住を引き受けるという、不完全ながらも一定の分担によって成り立っていた。ところが現在、その双方が縮小しているにもかかわらず、富裕国は難民に「移動せず、その場にとどまれ」と求めている。

難民が近隣国にとどまるためには、合法的な在留資格、身分証明、就労権、教育、医療、そして帰還・定住・第三国定住など将来への展望が必要である。これらを欠いた「出身国に近い場所での保護」は、難民を貧困と援助依存の状態に置き、富裕国から見えない場所へ閉じ込める政策になりかねない。支援や将来の見通しを失えば、難民は危険を冒してでも別の国へ移動し、受入国も国境閉鎖や権利制限、時期尚早な帰還を進める可能性がある。

必要な改革は、難民保護そのものを問題視することではない。受入国への予測可能な投資、難民の就労や公共サービスへの参加、適正な庇護審査、文書化、安全な自主帰還、限定的な第三国定住、移動経路上の国々との協力を整備することである。すべての国が難民を他国へ押し付ければ、避難は減らず、密航や二次移動が増え、かえって移動の管理が困難になる。難民保護は国境管理の敵ではなく、適切に設計されれば、移民・難民の移動を管理可能にする重要な基盤である。
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